2010年11月11日木曜日

ScanソフトとカラーインクジェットプリントドライバーソフトのConflict

以前にも投稿しましたが、複数のソフトをPCにインストールした結果、動作がしなくなるトラブルがまた発生。画像関連ソフトを複数インストールすることによるトラブルは本当に嫌なものです。

最初にインストールしていたのは、富士通の「ScanSnap」です。これでスキャンしておりました。遠隔読影でクライアント病院からFAX受信した読影依頼箋をこの装置でPDFにするのが目的でした。同じPCにCanonのMP-640のドライバーをインストールしたら、富士通の「ScanSnap」が全く使え無くなったのですね。これで困りました。対処として、優先順位が高いのが「ScanSnap」でしのたで、CanonのMP-640の関連ソフトをアンインストールしました。その結果、元通り、「ScanSnap」が使えるようになりました。トラブルの原因として、「ScanSnap」とMP-640の関連ソフトを同じPCにインストールしたことが原因であることが間違いないと想定します。残念ながら、MP-640は他のPCで使えるように設定せざるを得ませんでした。

う~ん、画像ソフトの同居は本当に難しいな~。目的に応じて使用ソフトを異なるPCにインストールした方が無難かなと。弊社では、クライアント病院と通信しているので、この点は注意しております。PCだらけでスペースの効率性は大分落ちるのがネガティブですが。。。。

OsiriXからiPadへのDICOM画像の送信の仕方

これまでiPadにOsiriXからDICOM画像を取り込む際、iPadのQR機能を使っていました。しかし、よく考えてみるとこの方法は現場での業務効率を考えた場合、非常に段取りが悪いと思いました。iPadからQRをかけた場合、サーバーに格納されているDICOM画像が一挙に一覧表としてiPadに表示され、そこから選択したダウンロードすることになりますが、よく考えてみますと、その業務フローは大学病院や大型病院では段取り効率が悪過ぎて話になりません。。。。

やはり、サーバーやViewerからiPadで閲覧したい画像だけを選択して、DICOM Storageするのが最も効率的だと考えます。一番早いのは、OsiriXからiPadにDICOM Storageするのがよいと思います。その場合は、下記の方法が早いと思います。

①DB一覧から「アルバムとソース」ボタンをクリックします。
②ソース欄に送信先のiPadが表示されます。iPadが複数ある場合は、送信先のiPadに検査画像をドラッグします。
③「送信」ボタンをクリックします。

以上です。上記でなくても、DB一覧から「送信」ロゴをクリックして、「送信先を選択」から送信先のiPadをプルダウンで選択して、「送信」ボタンをクリックしてもいいです。

上記の内、やりやすい方法がよろしいかと。。。。

OsiriXでの現在・過去画像比較の裏技

OsiriXを使って現在画像と過去画像を比較する方法です。マニュアルに恐らく記述されていないだろう早業です。師匠であるNewton Graphicsの菅野社長も知らなかった技です(他のユーザーで知っている方がいましたらごめんなさい)。

通常の推奨パターンでは、DB一覧画面で「Command」キーを押しながら、比較したい検査を選択して、「2Dビューワー」ロゴをクリックします。しかし、このやり方では、いちいちDB一覧画面に戻らないといけないので面倒ですね。他のコニカさんのViewer等では、「過去比較」といったボタンが用意されていることが多いです。その場合はこの「過去比較」ボタンを押すと、CT画像ならば過去の直近のCT画像が出てきますし、CR画像を見ていれば、過去の直近のCR画像が出てきます。

OsiriXではこの「過去比較」ボタンが無いので、他社のViewerよりも面倒臭いな~と困っていました。しかし、裏技を使うとこの面倒臭さが一挙に解消したのです。裏技は以下の通りです。

①まずは、過去比較をするしないに関係無く、見たい検査画像を見る。
②そうすると見ている患者に関して、撮影した過去の検査(CT、CR、MR等何でもあり)のサムネイルが左側に表示される。
③並列表示、比較したいサムネイル画像を右ワンクリックする。
④そうすると、現在画像と過去画像を並べて表示される。この時、過去画像という定義に係らず、単に並べて閲覧したい検査同士を並列表示すると解釈した方がよいでしょう。同じCR胸部画像の現在と過去であってもよいですが、例えば、CRの胸部画像とCT胸部画像を並列表示したり、CRの骨画像とMR画像を並列表示したり。。。。
⑤つまり、並列表示で見たい画像を単に右クリックして並べるだけです。
⑥マニュアル操作ですが、OsiriXのこのやり方はフィルムを手でシャウカステンに並列表示させる感覚に極めて近いと思います。う~ん、納得です。。。。。これは便利だ。。。。。

どうでしょうか。極めて簡単でした。これまでの苦労は一体何だったのかと。。。。

2010年11月7日日曜日

光インターネットといえども。。。。

千葉県富津市の新規開業病院で弊社の遠隔読影サービス「Docえいくん」を利用して頂くために暗号通信設定をして参りました。光ネクストのユーザーです。しかし、しかしです。その通信速度の遅いこと。これには驚きました。50MB程度のデータを送るのに軽く10分以上かかってしまうのです。通信速度を測定してみると、ダウンが40Mbps、アップが8Mbpsでかなりの差がありました。光だと通常、ADSLと異なり、アップもダウンも大きな差が無いのですが、富津市のある地域の特性でしょうか、アップとダウンで相当な差が出ております。

又、光ユーザーからの弊社へのDICOMデータの送信でも時間帯によって相当な差が出ている現状です。名古屋市の病院から弊社へのDICOM通信では、同じデータ容量で朝9時半頃の送信では1分かからないものが、夕方の4時では10分以上かかってしまうことが多いです。通信速度の測定を測定ソフトで行っても、遅くはないのですが、実際の送信では10倍以上かかってしまうのですね。。。。やはり、地域の込み合いが半端なものではなくなっているのでしょうか。。。。弊社の社内のシステムには何の問題も無いことは確認できました。弊社としてはこれ以上の対策がとれないので、地域の光通信網が一体どのように他ユーザーと帯域を共有されているか。。。。これは是非、知りたいところです。

NTTのサービスでVPNワイドという安いIP-VPN商品がありますが、これはNWに参加しているユーザーが皆で帯域を共有化する仕組みになっています。遠隔でPACSを構築する際は、サーバーセンターへのDICOM通信が殺到すると通信速度が相当に遅くなる可能性が高いでしょう。弊社が読影依頼しているパートナー読影センターの場合は、帯域を共有化する仕組みではなく、サーバーとクライアントを1本毎にNWする仕組みなので、通信速度はべらぼうに速い!です。しかし、その分、価格もべらぼうに高い(泣き笑い)。価格には参りますが、マンモ画像。CT64列ユーザーの画像等、データ容量が大きい通信を行う場合はあっという間に送信終了してしまいます。トラフィックが込み合う夕方以降の通信の場合、この恩恵はやはり大きいですし、大型総合病院の業務効率向上には効いてくると思います。

第1回Team OsiriX Japan Meetingの感想

神戸大学杉本先生の音頭の元、発足したTeam OsiriX Japanが2010年10月16日(土)に横浜パンパシフィックホテルでユーザーミーティングを開催しました。多くのOsiriXユーザーから医療現場でOsiriXをどのように活用しているかプレゼンがありました。ユーザーには個人のクリニック、中小総合病院、大手総合病院、大学病院等が含まれます。小から大までOsiriXのユーザーが現場でどのように活用しているかプレゼンがあったのです。

結論として参加費用3千円は余りに安すぎると感じたほど、素晴らしい内容のプレゼンばかりでした。参加費用3万円でもおかしくないほど、品質が高く、参考になる発表ばかりでした。参加したドクターは皆、発表内容にうなされるばかりで、感嘆している方が大変に多かったです。背後から熱さを感じたほどです。へえ~、ウワア~。。。。という声が頻繁に聞こえてきました。正直、ここまでユーザーが努力しているとは予想しておりませんでした。医療現場での若手教育への活用、手術前のシミュレーション、読影診断、患者さんへの説明、遠隔コミュニケーション、手術中の手技の確認、学術論文作成のための分析ツールとしての活用等、これでもかこれでもかというぐらいにKOパンチを食らいました。余りに地に足の着いた活用に驚き、地面に叩きつけられたような気がしました。予想を遥かに超えたユーザーの努力には感嘆するばかりでした。

OsiriXを推奨していますが、これは本当に自信になるものです。共通して言えるのは、ユーザーが超真面目な本物志向であることでした。OsiriXを医療の品質向上のためにどのように活用するかの1点につきます。医療の品質と言ってもいろいろな意味があります。見立て・診断行為の品質、治療行為(手術行為も含む)の品質、患者さんへの説明行為の品質、若手ドクター育成行為の品質等。。。。。 これら全ての品質向上にOsiriXをどのように活用しているか。。。。しかも、品質向上を経済的にどのレベルのコストをかけて実現していくか。。。OsiriXはフリーソフトです。しかし、世界で一番ユーザー数が多いDICOM Viewerであろうと思います。世界中のノウハウが凝縮されているフリーソフトです。侮れないな~と改めて思いました。ITの知識が多少あれば、凄いことが無料でできてしまうのですね。ユーザーの大半がコストはパソコン代だけで、いわゆるソフトにかかる費用を殆ど負担せずに仕組みを構築している先です。

凄いことを格安で作ってしまおうぜというMovementです。このMovementが大きくなると医療業界におけるコスト削減に大きく寄与することになるな~と改めて思いました。このMovementはわが社の社是とも合致するものです。よ~し、頑張って行こうと、Meeting以降、気持ちを引き締めました。

ちなみに発表された課題を下記に挙げます。

(1)OsiriXを用いたクリニックのiPad活用例
(2)OsiriXがつくる外科医目線と指導医目線:実践的手術シミュレーションと医学教育への活用
(3)Virtual Endo-Urographyによる後腹膜鏡下手術ナビゲーション
(4)乳癌領域のおけるOsiriXを用いた3D Image Reconstructionの有用性
(5)乳癌手術における術中画像支援 - Image Overlay NavigationとComputer Aided Surgery
(6)OsiriXを使った人体解剖とCTの統合による先駆的医学教育
(7)OsiriXによる医学教育 - ファイルメーカーとOsiriXの統合
(8)心血管系3D画像診断 FOVIA's HDVR OsiriX Plug-Inを用いた3D Visualizationの新しいかたち
(9)OsiriXの術中3DCT構築を用いた胸腔鏡下肺区域切除術
(10)Volumetryによる肝硬変の肝・脾容積測定の定義 - OsiriX画像解析の臨床研究への応用
(11)OsiriXを用いた整形外科領域における3次元画像構築

マンモグラフィの遠隔読影、通信速度、DICOM保存の原理原則

10月から開始したマンモグラフィの読影サービスが順調です。今のところ1回のオーダーで20人前後ぐらいの依頼があります。問題は通信速度かなと思っております。光インターネットでの暗号通信でも20人前後のマンモ撮影画像のDICOMファイルだと1枚12MB程のデータ容量となります。1人あたり2方向で左右だとすると、1人分のマンモ撮影画像で約45MBの容量となります。それが20名分となりますと、1回の送信で900MB程度となります。約1GBなので結構なボリュームと言えるでしょう。これを暗号通信するので、暗号化や暗号をほどく時間を加えるとそこそこの通信時間がかかってしまうのが課題です。通信の際は、データ圧縮等の技を使えば、通信時間は短縮可能でした。

ある病院では、サーバーのHDD容量を節約するために、サーバーに格納する時に非可逆の圧縮方式で格納している先がありますが、これはやはり読影の際にまともな画像にならないのでお薦めしません。やはり、世界基準ではDICOM画像は非可逆圧縮での保存はまずいでしょう。読影、診断の際に品質の低い写真を見ることを強いられるのは、サーバーの容量節約という経済行為ではポジティブであったとしても、医療行為としては大変にネガティブです。本末転倒と言えるでしょう。。。。

やはり、医療の本質は正確な見立て、診断から始まるので、この原理原則を見失ってはいけないと思います。PACSによっては、この原理原則を遵守していないものがあります!! 残念ながら。。。。。